品名：クラケシン（クラケシン）
容量：1000ml
度数：22%
備考：今まで出品してきた中でも、かなり珍しい物だと思います。フランス産のクラケシンです。ノルウェー産の松（松脂・松のつぼみ）をメインにして天然のタールを抽出し、他にも副材料として様々な薬草・香草・スパイス等を使用して製造された「タール・コーディアル」です。ちなみに同じ北欧のフィンランドではかつて、木タールは「体の真ん中を真っ二つに切られた傷でさえ癒す」と言われるくらいの万能薬あつかいでした。話を本筋に戻すと、1860年代に義父の蒸留所を受け継いだのが、ハーバリスト（香草・薬草師）で薬剤師でもあったポール・クラケシン。彼と、実業家であった彼の妻によって発明されたのがクラケシン・リキュールです。そのリキュールは肺の病気の治癒に効果があるとして一気に評判が高まり、1920年代頃の全盛期には生産量が年間500万本。（1903年から製造地はマラコフ）ヨーロッパ全土から、北アフリカ、メキシコまで輸出されていました。しかし第二次世界大戦で同蒸留所は後継者を失い、妻のポーリン・クラケシンも亡くなってからは一気に衰退。その頃からクラケシン・リキュールは、ほとんど姿を消したようです。その後、彼らの子孫がクラケシン・リキュールを復活させて今日に至ります。（現在の製造地はプロヴァン）現在は主にワイン商によって毎年5万本ほど現行のクラケシンが製造されておりますが、アルコール度数は18%で内容も昔と比べてライトな物だそうです。
本ボトルに近い1940年代のクラケシンを開栓、試飲しておりますので、僕の個人的主観をおおいに含むテイスティングコメントを記しておきます。開栓と同時に一気に広がる香り。かなり強い煙。焼けた木や石。敷きたてのアスファルト。材料を惜しみなく使って抽出された産物であろうタール＆スモーキーフレーバーが強烈な印象。それらに少しビビりながらグラスに口をつけると、舌に優しく触る柔らかい甘み。古いタール・コーディアルによくあるこのギャップ。少し時間を置くと、ようやく他のハーブやスパイスを拾うことができる。アルコール度数22％とは思えない多層な厚みと力強さ。空いたグラスの残り香が、完全にアイラウイスキーのそれである。（かなり長い時間続いていた）これと似たリキュールは思いつかないが、何となくどっかに共通点がある物を挙げるとすれば、1930年代の凝縮されたコカブトンや、シェリー強めの長熟タリスカー、タバコの吸い殻を漬けた水、焼いたソーセージ、ここら辺である。
1920年代・1930年代のクラケシンのラベルには「GOUDRON（タール）」の表記がありますが、1940年代からはそれが消えてしまいます。しかし、タールっぽさも消えたかと問われれば、まったくもってそんなことはなく、やはり煙やタールのニュアンスが非常に強い。本ボトルは推定1960年代製造流通ですが、先述した物と同じマラコフで製造されており、ラベルデザインも1940年代から変わっておらず、アルコール度数も22％であることから、現行のクラケシンとは全く違う内容であると推測されます。しかしながら、低アルコールのオールドリキュールであることに変わりはなく、また経年のリスクも当然あることから、飲用ではなく貴重なボトルコレクションとして本当に興味のある方に手にしていただければと思います。



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★★領収証について★★
領収証については以下の方法で税務署に経費として認められていますので、ご参考になればと思います。
『インターネットバンキング・ネットバンク』・振込み後のページをプリントアウトして領収書としてご利用頂けます。
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